2022/4/13

グランドグリーン株式会社への出資を決定

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東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営する協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合(以下「協創1号ファンド」)は、ゲノム編集技術等を活用した新種苗の研究、開発を展開するグランドグリーン株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:丹羽 優喜、以下「グランドグリーン社」)に対して3億円の出資を行うことを決定しました。今回のグランドグリーン社への投資は、既存投資家で提携ベンチャーキャピタルであるBeyond Next Ventures 株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 伊藤毅)、静岡キャピタル株式会社(本社:静岡県静岡市、取締役社長 久野託司)、その他個人投資家1名との共同出資となります。

 

世代の食農を創造する研究開発型のアグリバイオスタートアップ

 

グランドグリーン社は、名古屋大学生物機能開発利用研究センターの野田口 理孝教授と京都大学助教を経た丹羽優喜CEOを中心に創業されたアグリバイオスタートアップです。また植物研究の第一人者である東京大学大学院理学系研究科の東山哲也教授(名古屋大学教授兼務)も共同創業者で技術顧問として参画しております。

 

ゲノム編集食品は、世界的にもマーケットが盛り上がっており、日本においても2021年より商品の販売が始まりました。しかし、植物分野においては、膨大なコストや時間がかかることや、ゲノム編集ツールの汎用的デリバリー技術の不在により、活用できる作物品種が少ないことなどが問題でした。

 

グランドグリーン社では課題に対応すべく、様々な植物種の様々な実用品種に適用可能な独自の高効率デリバリー技術の「gene App™」や、植物細胞向けに独自改良を施したゲノム編集ツールと発現ベクターによって高効率なゲノム編集を提供するオリジナルゲノム編集kit「3GE(triple GE)™」(特許出願中)などの独自のソリューションを開発してきました。これらのソリューションにより、植物ゲノム編集のハードルを下げ、新種苗開発を加速することが実現できました。

 

現在は技術の開発と共に、事業面では多様の品種の新種苗の開発や、大手企業との共同研究を進めており、食糧問題はもちろん、農薬や化学肥料など環境負荷の低い種苗の開発や、バイオ燃料等の代替エネルギー開発など食農の革新を目指しております。

 

世界の人口が増えるにつれ、食物の供給は大きな課題となっております。植物ゲノム編集を通して、収量や栄養価の増加など様々な効果が期待できます。東大IPCは、グランドグリーン社の優れた技術や経営メンバーの高い経営力を評価、また世界で戦う可能性を秘めたアグリバイオベンチャーの支援のため、この度の出資を決定しました。今後のグランドグリーン社の事業について、東大IPCは積極的な支援を進めていきます。

 

■グランドグリーン株式会社 代表取締役 丹羽優喜のコメント

この度の資金調達にご協力下さった皆様に、心から感謝申し上げます。
当社は、先端テクノロジーで植物のポテンシャルを最大限引き出し、世界を幸せにする、というミッションを共有するメンバーが集い、事業を進めて参りました。引き続きこの理念に共感していただいた投資家、共同開発パートナー、生産者や農業と食に関わるあらゆるパートナーの方々とともに、より良い作物を、より持続可能な形で提供するべく、事業を進化させて参ります。

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 マネージャー 古川圭祐のコメント

グランドグリーン社は世界で戦う可能性を秘めたアグリバイオベンチャーです。難しいとされている植物のゲノム編集に革新をもたらし、作物の収量や栄養価の増加など 様々な効果が期待されています。汎用的デリバリー技術「gene AppTM」や、オリジナルゲノム編集 kit「3GE(triple GE)TM」などの同社の技術力の高さ、またメンバーの事業に対する熱意を感じ、この度の投資に至りました。持続可能な食糧生産及び農業の実現に向けて、今後グランドグリーン社と共に貢献できることに期待しております。

 

 

東京大学周辺の持続可能なイノベーション・エコシステムの発展を目指す、協創1号ファンド

 

協創1号ファンドは、東京大学関連ベンチャーの育成促進と、東京大学を取り巻くベンチャーキャピタルの質・量の充実、を中心に据えて運用を行なうことで、東京大学の周辺に持続可能なイノベーション・エコシステムを構築し、世界のベンチャー創出拠点の一つとなることに寄与することを目的としています。具体的な運用として、今までに6つのベンチャーキャピタルへのLP出資(ファンド オブ ファンズ)と、20社以上の東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行い、現在も積極的に東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行っています。

 

事業化までに長い時間と比較的大きな資金が必要となるバイオテック・ディープテックベンチャーに対しては、長期ファンドを運用する東大IPCとして継続的な支援提供、その成功に向けた伴走を今後も行なってまいります。

 

東大IPCは、イノベーション・エコシステムの発展のため、ベンチャーキャピタルとの連携とともに、東京大学関連ベンチャーへの直接投資による育成促進を更に進めていきます。

 

 

グランドグリーン株式会社について

概要     ゲノム編集技術等を活用した新種苗の研究、開発

設立     2017年4月

所在地 愛知県名古屋市千種区不老町1 名古屋大学インキュベーション施設106号

代表者 代表取締役 丹羽 優喜

URL      https://www.gragreen.com/

 

 

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について

概要     東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社

設立    2016年1月

株主    国立大学法人東京大学(100%)

所在地 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261

代表者 代表取締役社長 大泉克彦

URL      https://www.utokyo-ipc.co.jp/

 

【お問い合わせ】

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社

東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261

TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183

Email: info2@utokyo-ipc.co.jp

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