2022/3/11

スタートアップインターン・インタビュー Yanekara 本橋 悠人さん

株式会社Yanekara
YaneBox事業部エンジニア

就職活動を迎えるにあたって、インターンシップへの参加を検討する学生の方は多くいます。インターンシップへの参加は、実際に仕事を体験できる点に大きな意義があります。とはいえ、スタートアップでのインターンシップは、一般企業とは異なる点が多く、参加を迷っている方も多いのではないでしょうか。

そこで、スタートアップでインターンシップを行う意義や、参加してみて感じたことなどを中心に、実際にYanekara社のインターンシップに参加している本橋さんにお話を伺いました。

インターン先との出会いは偶然でした

Yanekara社のインターン生(本橋さん)

ーーまずは、簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか。

 

本橋:東京大学の工学部物理工学科の3年生で、現在21歳です。生まれは関東ですが、小中高は京都府で育ち、大学からは東京都に在住しています。もともと物理の科目が好きだったこともあり、現在の学部・学科を選びました。

現在は量子コンピューターや光を用いた物質の制御などの分野に興味があるので、新年度の4月からは、これらの分野の研究室に入れたらと思っています。

 

ーースタートアップであるYanekara社のインターンシップに応募したきっかけを教えていただけますか?

 

本橋:昨年(2021年)6月に「卒業生と在学生の交流会」で、エンジェル投資家で東大OBの方と知り合ったことがきっかけです。その方からさまざまなスタートアップをご紹介いただいたのですが、その中にYanekara社が含まれていました。それをきっかけにYanekara社の活動にすごく興味を持って、松藤さん(代表取締役CEO 製品開発統括)や吉岡さん(代表取締役 COO 事業開発統括)とお話をさせていただき、同年8月からインターンシップに参加することになりました。

もともとスタートアップやベンチャーに関する情報収集を目的にその交流会に参加していたわけではなく、当時の私は積極的にインターンシップ先を探していたわけでもなかったので、偶然の出会いでしたね。

インターンシップ活動と、他の学業や活動などを両立できている

Yanekaraオフィス前にて松田さん本橋さん②

ーー現在はどれくらいの時間、Yanekara社で開発を行っていますか?

 

本橋:平均すると月40時間くらいですね。春休みの期間はもう少し多いと思います。自分の中でインターンシップの活動に充てる時間数をある程度決めているものの、「この曜日の、この時間」というような規則性はなく、まったくのランダムで自分の空いている時間をYanekara社でのインターンシップの活動に充てている状況です。

 

ーーYanekara社のインターンシップで行っている活動内容をお教えいただけますか?

 

本橋:Yanekara社は電気自動車の充放電システムを開発しているスタートアップですが、私がメインに手掛けているのは「回路に積んでいるコンピューターの制御コード」を書くことです。実際に動作するかどうかを調べる統合試験を含めて、制御をしっかり機能させることをメインに担当しています。

インターンシップでは実際にユーザーさんに使用していただくところまで考えながら開発を行っており、業務の幅が非常に広いのですが、メンバー全員が事業のコアに携われるように工夫されていると感じています。

これまで数カ月間という短いインターン期間ですが、現在のユーザーさんとじっくり時間をかけてお話をさせていただいたり、将来的にユーザーさんになるかもしれない企業さんとの間でも定期的なコミュニケーションを行ったりしています。

コミットできる範囲は限られていることを意識してインターンシップに臨む

ーースタートアップのインターンシップに参加することについて、一般的に言われるデメリット(例:学業との両立が大変、教育体制が整っていない など)を踏まえて不安はありませんでしたか?

 

本橋:「学業との両立が大変な場合がある」という面でデメリットが生じるおそれがあることは気にしていましたね。なので、インターンシップに参加する際には、「他の活動があるので、コミットできる範囲は限られている」ことを事前に意識して、初めから伝えておきました。

結果的に学業や別の課外活動との両立は行えており、スタートアップ側でも「学生の貴重な時間を使っている」という意識を持って対応いただいていると感じています。例えば「学業に充てたい時間数」は試験やテストなどによって変化するものですが、Yanekara社にはこの点も尊重いただいており助かっています。

また、「教育体制が整っていない」という面もありますが、そもそもスタートアップでは仕方のない部分だと思います。とはいえ、Yanekara社にはそれぞれ異なる分野に強みを持つメンバーが揃っていて、不明点がある際はすぐに相談できるため、特にデメリットとしては感じていません。

また、「チーム内でわからなければ、外に聞きに行く」という考えも定着しており、ツテを辿って外部のエンジニアに相談しに行った経験もあります。受け身の姿勢で「教育」を捉えると、スタートアップ体制は決して万全とはいえませんが、スキル・情報を得る手段は確保されていると感じています。

実際、スタートアップのインターンシップにあるメリットとは?

Yanekaraソーラーパネル

ーースタートアップのインターンシップに参加してみて、メリット面でのギャップはありましたか?(一般的なメリットの例:裁量権があり責任ある仕事を任せてもらえる、事業の成長を実感しやすい、経営者の近くで働ける など)

 

本橋:一般的に言われるメリットは、総じて得られていると思います。

例えば、裁量権で言うと、そもそも現時点で事業開発統括の吉岡さんが「事業の細かなすべてを采配できる」という時期を過ぎており、それぞれのメンバー・開発者が裁量権を持って業務に取り組んでいます。Yanekara社には各メンバーが意見を伝えたり反論したりできる雰囲気があり、組織の方向性を変えていくような重要な議論についても、各メンバーが自分ごとに捉えて積極的に意見を出しており、組織の改善につながっていると感じています。

事業の成長という観点で言うと、インターンとして働く中で、以前は最低限動作する程度だったプロダクトが、わずか半年ほどの期間でユーザーに対して安心感を与えられるクオリティにまでグレードアップしていく様子や、組織が急激に拡大していく様子などを社内で見ていて、さまざまな面で事業の成長を実感しています。

また、経営者との距離感の面で言うと、Yanekara社には働き方の観点から「経営者と従業員という関係性をなくしたい」という意識があるため、学生インターンの私からすると経営者の方々とは「ずっと一緒に仕事をしている」という感覚です。

さらに、就活面でのメリットとして「自己PRに書ける」という点が一般的に言われることがありますが、むしろ私はスタートアップの中で着実に開発実績・スキルを積めることに魅力を感じています。加えて、就活生の目線ではなく、企業対企業という関係性から相手企業が考えていることを掴めることも今後のタメになると思います。

そのほか私自身が肌身で感じているメリットとしては、大学の教育プログラムなどで数人規模で「ものづくり」を行うことと比べたときに、作れるモノの規模が大きくなる点、スピーディーに作っていける点などが思い浮かびます。「何のために作っているのか、誰が使用するのか」を踏まえて開発を行っていけることは、私にとって大きな魅力です。

スタートアップのインターンシップにある感動

ーーインターンを始める前と後でギャップはありましたか?

 

本橋:スタートアップは、組織をマネジメントしていく中で、ファイナンス・組織論・技術面・会社の目的などさまざまな方向性から議論しなければならず、情報量が非常に膨大です。それにもかかわらず、これらの要素が1つでも欠けると、組織が崩壊してしまう難しさがあります。

その中で、スタートアップほどの小規模な組織が、これらの要素をまとめて運用し、結果的に成長を実現できることに驚いています。全部の要素について万全な体制を構築できているとは言えないものの、「この人数で、ここまでのことができるんだ」という感動です。

想定できる不安はあったものの、悪い意味でのギャップはありませんでした。

 

ーーこれからスタートアップのインターンシップに参加したいという学生にメッセージをお願いします。

 

本橋:スタートアップという組織は、さまざまな方向から投資をしてもらい、情報のインプットをしてもらったうえで、スピード感のある事業展開を行えます。

こうした組織のインターンシップに参加すれば、自分が作りたいものをスピーディーに作れて、経験を積むことができます。また、スタートアップは、「顧客から評価を得る」という成功に向けて、将来的に事業としてどのようなことを手掛けたいのかをチームで議論できる場でもあります。

言うなれば、スタートアップは「自分の経験」と「組織・事業単位での価値提供」をセットで考えられる機会であり、人生をきっと豊かにしてくれると思うので、スタートアップのインターンシップに興味のある方は、積極的に参加することをおすすめします。

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Yanekara松藤さん本橋さん松田さん

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