2022/11/8

株式会社ブリングアウトへの出資を決定

印刷する

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長:大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(以下「AOI1号ファンド」)は、営業DXツール「Bring Out」を提供する株式会社ブリングアウト(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:中野慧、以下「ブリングアウト」)に対して4,000万円の出資を行うことを決定しました。

 

今回ブリングアウトへの投資は、加和太建設株式会社100%出資の子会社である合同会社LtGキャピタルパートナーズ(本社:静岡県三島市、代表:河田亮一)、佐々木食品工業(本社:大分県豊後高田市、代表:佐々木興平)との共同出資となります。

 

 

言語解析及び重要箇所の抽出によって、課題の特定及び具体改善策を明文化。科学的な営業を実現

 

ブリングアウト代表の中野氏は東京大学教育学部を卒業した後、スタディサプリの小中学生領域の責任者を務めるなど、人材の育成・教育に対する強い思いをもったキャリアを歩んできました。その後、営業組織の科学的な改善を目指して同社を設立し、2022年6月に開催された第7回1stRoundに採択されました。東大IPCは1stRoundを通じて、早期に同社サービスに対する強いニーズと経営陣の高い能力に確信を持ち、支援期間中の投資決定に至りました。既に1stRoundのパートナー企業によるトライアル利用が開始されるなど、東大IPCとしても同社サービスの営業支援を実施しています。

 

2022年7月に提供開始された「Bring Out」は、オンライン商談・対面商談双方で、話者の分離を行い、音声認識精度99%(※1)で、商談内容を自動テキスト化することが可能な営業DXツールです。特許出願中である、当社独自の重要箇所を特定するAIにより、商談内の予算や決裁ルートの把握の有無、或いはコンプライアンス規定に則った営業トークが行われているか等を、80%を超える精度で自動的に抽出します(※2)。

 

これにより、短時間で効率的に商談のポイントを確認し、営業日報の作成や確認のための会議といった人的コストのかかる業務を大幅に減らしつつ、商談における課題把握と人材育成を効率化することが可能になります。

既に、リクルートや日本M&Aセンターといった大手企業をはじめとする数十社で活用されており、営業DXの推進とともに、定量的な傾向も見え始めています。

 

例えば、多くの企業において本来絶対確認すべき項目である、お客様のご予算について、半分以上の営業が質問しておらず、また、質問している営業も多くが「予算無いですよね?」といったような断りやすい質問を投げている、との傾向が見えてきました。これまでブラックボックスだった会話の中身がみえることで、「予算がないです」「しょうがない」という報告で止まっていた上司と部下の会話が、具体的な確認項目やその聞き方まですり合わせていくことが可能になります。

 

 

建設業での営業分析、更に商談以外の打合せの解析も広げ、コミュニケーションの生産性向上を目指す

 

この度、ブリングアウトは総合建設会社の加和太建設株式会社の子会社、LtGキャピタルパートナーズからも出資を受け、同社をはじめとする建設業における営業商談の分析も手がけます。建設業界では、他業界と同様のヒアリングの徹底ニーズに加え、「言った・言わない」問題が収益性やお客様との信頼関係に大きな影響を及ぼすケースがあります。設計・施工の打合せ等、商談以外の打合せにおいても、本サービスを活用することで、効率的かつ生産性ある打合せへの改善に寄与すべく、新たに展開予定です。

 

 

株式会社ブリングアウト  代表取締役社長 中野慧 コメント

 

学界・産業界に強力なネットワークをもつ東大IPC様に、この度株主の一員として同じ船に乗っていただけること、大変心強く感じております。

1st Roundに採択いただいて以降(何なら採択以前から)、貴重なアドバイスを親身になっていただく東大IPC様のチームと接し、是非これからもお付き合いいただきたいとの思いに至り、討議を重ねた結果、ご出資いただける運びとなりました。
我々のサービスは、これまでブラックボックスだった会話内容を可視化させ、重要箇所に傾斜をつけることで、「使えるデータ」としていくものです。世の中にイノベーションを起こしていくために、学界での最先端の自然言語処理の研究結果の統合や、産業界での実態に即した運用の磨きこみは不可欠です。
東大IPC様に参画いただくことにより、これらの取り組みが加速し、より大きく、早く、社会にインパクトを与えられるようなサービスを実現してまいります。

 

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 パートナー兼CIO 水本尚宏 コメント

 

ブリングアウトへの投資理由は、強いプロダクトを強いチームが運営しているからというシンプルなものです。ブリングアウトはコロナ禍で設立されたフルリモート運営の極めて現代的なスタートアップですが、男気溢れる中野さんを中心に強い信頼関係で結びついたメンバーによって構成されている稀有なチームです。

プロダクトの強さを理解して頂くには、利用して頂くのが一番早いかと思います。WEB議事録ツールは個人的に色々試していましたが、情報共有以外の用途が乏しく普及していく感覚を持てずにおりました。しかし、本プロダクトは会議内容からピンポイントに重要な部分を抽出する機能を搭載することで、アイデアと工夫次第で様々な用途での活用可能性が生まれました。またコールセンターにおける会話の録音率が95%に達することを考えると、商談の記録は近い将来において極当たり前のカルチャーになると考えます。まだまだ機能的な伸びしろも大きく、一ユーザーとしてもプロダクトの進化を楽しみにしています。

 

 

日本のオープンイノベーション活動の発展寄与を目指すAOI1号ファンド

 

AOI1号ファンドは、東京大学周辺でのオープンイノベーション活動の推進を目的とし、「企業とアカデミアとの連携によるベンチャーの育成・投資」というコンセプトで2020年に組成されました。本ファンドでは、各業界のリーディングカンパニーと連携した新会社設立やカーブアウトベンチャー、および彼らのアセットを有効活用するベンチャーへの投資を通じ、新たな分野におけるオープンイノベーションの成功事例創出を目指します。

 

東大IPCは、今後も東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展およびそれを通じた世界のイノベーションを加速するため、ベンチャーキャピタルやオープンイノベーションを推進する企業との様々な連携を通じ、アカデミアの生み出す学術・研究成果を活用するベンチャーの創出、育成および投資を進めていきます。

 

(※1)自社推計。静音会議室環境でオンラインミーティングを行った音声ファイルで計測を実施。

(※2)下図参照

 

株式会社ブリングアウトについて

概要       DX支援コンサルティング及びその関連業務、AIを活用した生産性向上SaaSの開発

設立   2020年12 月

所在地  東京都中央区銀座1丁目22番11号銀座大竹ビジデンス2階

代表者  代表取締役社長 中野慧

URL      https://www.bringout.biz/

 

 

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について

概要        東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社

設立   2016年1月

株主   国立大学法人東京大学(100%)

所在地  東京都文京区本郷7丁目3−1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261

代表者  代表取締役社長 大泉克彦

URL      https://www.utokyo-ipc.co.jp/

 

 

【お問い合わせ】

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社

東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261

TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183

Email: info2@utokyo-ipc.co.jp

担当: 水本尚宏

 

一覧へ戻る
東大IPCの
ニュースを受け取る
スタートアップ界隈の最新情報、技術トレンドなど、ここでしか得られないNewsを定期配信しています