2025/8/4

投資先のBlueWX株式会社がNEDOディープテック・スタートアップ支援事業の助成先に採択決定されました

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東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 植田 浩輔、以下「東大IPC」)は、投資先である、高精度な気象予測により航空輸送の安全性、経済性、カーボンニュートラルの実現を目指すBlueWX株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長 渡辺和成 以下「BlueWX」)が、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)が実施するディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(以下、「DTSU事業」)の助成先に採択されたことを発表します。

 

尚、本件は、東大IPCがパートナーVCとして支援し、採択に至ったものです。

 

 

 

航空業界の安全性、経済性、カーボンニュートラルの実現を目指すBlueWX

 

 

BlueWXは、ANAグループと慶應義塾大学の産学連携から2023年7月に創業し、航空業界の安全運航、燃料消費・CO2排出削減、コスト削減等の実現に向け、従来とは異なるAIを利用した高精度な気象予測モデルの展開を目指しています。

 

開発を進める気象予測モデルのうち乱気流予測モデルについては、過去10年分の乱気流発生データ等を用いて日本空域における深層学習を行い、既存の予測と比べて約2.7倍の高精度を実現しました。本予測モデルは、約2,500名のパイロットを対象としたトライアル運用とともに、世界中の航空会社から追加取得したデータを用いて精度を高めてきました。今後は、世界全域に対象を拡大しつつ、時間軸での予測解像度の向上を図ります。

 

この乱気流予測モデル開発を通じて培った気象学とAIの最適な組み合わせ手法をベースとしつつ、世界全域をカバーする風予測モデルの開発にも着手します。航空業界においてもカーボンニュートラル実現が求められており、燃料消費を最小化する航路選択が益々重要になっています。多くの企業が航路最適化システムの開発や実装を目指す中、高い精度の風速および風向の予測は不可欠なインプットとされています。同社はそのニーズに応えるべく開発を進めます。

 

 

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 マネージングパートナー 古川尚史 コメント

 

BlueWX社の製品は単なる機械学習ではなく、気象学・気象モデルへの造詣の深い慶應義塾大学等で培われたサイエンスと技術に基づき構築されており、その実用性については、既に実際の運航でのトライアル利用で既存の予測よりも優れていることが確認されています。
非常に独自性が高く、有効性も高いBlueWX社の製品は、日本国内を皮切りに広くグローバルに利用されていくものと期待しております。
今回の助成はそのグローバル展開に不可欠な全世界モデルの開発を加速するものであり、BlueWX社が世界を舞台に事業を展開する日本発・大学発の企業として、ユニコーンへと成長していくことに期待をしつつ、今後も支援を継続して参ります。

 

 

NEDO DTSU事業について

 

NEDOでは、技術の確立や事業化・社会実装までに長期の研究開発と大規模な資金を要し、リスクは高いものの国や世界全体で対処すべき経済社会課題(カーボンニュートラル、資源循環、経済安全保障等)の解決にも資すると考えられる革新的技術の研究開発に取り組む「ディープテック・スタートアップ」に対し、実用化研究開発や量産化実証を支援するDTSU事業を実施しています。DTSU事業はSTS (実用化研究開発(前期))、PCA (実用化研究開発(後期))、DMP(量産化実証)の3フェーズから構成されています。

 

 

【お問い合わせ】
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183
Email: info2@utokyo-ipc.co.jp
担当: 古川尚史

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