2026/2/24

GXディープテック7社が福岡に集結 地域を舞台に、アカデミアシーズと産業界をつなぐ共創の場を創出

印刷する

東京大学協創プラットフォーム開発(以下、東大IPC)、三井住友銀行、CICが運営する環境・エネルギーイノベーションコミュニティ(E&Eコミュニティ)は、環境・エネルギー分野におけるアカデミア発ディープテックの社会実装をテーマとしたイベント「GXスタートアップ・ピッチナイト」を、2026年2月4日、ONE FUKUOKA BLDG.にて共催しました。

 

本イベントは、GX(グリーントランスフォーメーション)領域において、大学研究を起点とする技術シーズと、事業会社・金融機関・大学・エコシステム運営主体が交わる共創の接点を地域において創出することを目的に開催されたものです。当日は、東京大学、九州大学、北海道大学等の研究成果を基盤とするGXスタートアップ7社が登壇し、産業界との具体的な連携可能性について活発な議論が行われました。

 

 

 

地域からGXの社会実装を目指す、共創型エコシステムの実践

 

脱炭素や資源循環といったGX分野では、技術開発に加え、事業化・社会実装までを見据えた長期的な視点と、多様な主体が関与するエコシステムの形成が不可欠です。

 

CICおよびE&Eコミュニティでは、スタートアップ、企業、投資家、大学等が日常的に交わる拠点として、環境・エネルギー領域におけるオープンイノベーションを促進してきました。東大IPCは、ファンド運営、商用化支援、創業成長支援プログラム「1stRound」等を通じて、アカデミア発シーズの発掘と成長支援を行っています。SMBCは、GX分野を含む社会課題解決に向け、産業界・スタートアップ・アカデミアをつなぐ取り組みを推進しています。また、九大OIPは、九州大学の研究成果を基にした新産業創出の司令塔として、技術シーズの目利きから知財戦略、事業化支援までを一貫して担い、地域経済のGX化を加速させています。

 

本イベントは、こうした各主体の取り組みがCICという場において交差し、アカデミアの研究成果を、地域における社会実装へと接続する具体的な実践の場として企画されました。

 

 

GX分野におけるオープンイノベーションの加速に向けて

 

第1部では、「環境エネルギー分野のオープンイノベーションをいかに加速させるか」をテーマに、産業界・大学・エコシステム運営の立場からパネルディスカッションが行われました。

 

登壇者:

・清水 倫 氏(三井住友銀行 法人戦略部 サステナブルソリューション室 業務推進第一グループ長)

・松井 克文 氏(九州大学 ビジネス・スクール ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター 准教授)

・植田 浩輔 氏(東京大学協創プラットフォーム開発 代表取締役社長)

・溝手 翠 氏(CIC Institute Assistant Director/E&Eコミュニティ運営事務局)

・モデレーター:石田 ともみ 氏(環境エネルギー投資 インパクト・オフィサー/キャピタリスト)

 

GX領域では、事業化までに時間を要する技術が多いことから、スタートアップと事業会社をつなぐ役割や、段階に応じた支援の在り方が重要であることが共有されました。また、研究成果の社会実装を担う人材や、継続的に議論・連携が生まれる場の重要性についても意見が交わされました。

 

 

 

大学発GXディープテック7社が登壇

 

第2部では、大学研究を基盤とするGXスタートアップ7社が登壇し、研究成果を起点とした技術と事業構想が紹介されました。

 

・Carbon Xtract(九州大学発)
ガス分離膜技術を用いたCO₂直接回収(m-DAC)を開発。都市部を含む分散設置型DACとして、既存インフラとの連携を視野に入れた脱炭素ソリューションを展開。

 

・aiESG(九州大学発)
AIとビッグデータを活用し、製品単位でサプライチェーンを遡るESG評価を可視化。人権・自然資本を含む高度な分析により、企業の調達リスク低減とESG経営を支援。

 

・Mechanocross(北海道大学発)
有機溶媒を用いないメカノケミカル技術により、化学合成プロセスの低環境負荷化と高効率化を実現。半導体・電池材料分野での応用が期待される。

 

・Yanekara(東京大学発)
EV・蓄電池をクラウドで群制御する仮想発電所(VPP)技術を開発。物流拠点や商業施設における電力最適化と再エネ活用を支援。

 

・ウェーブレット(東京大学発)
超小型震源装置「PASS」による地下可視化技術を展開。CCSや地熱開発、インフラ監視など幅広い分野での社会実装を目指す。

 

・難波 卓 氏(九州大学)
水素製造と金属リサイクルを高効率に両立する新アルカリ水電解技術を紹介。省電力化と装置簡略化を通じた水素製造コスト低減を目指す。

 

・ハイドロネクスト
独自のバナジウム透過膜技術により、混合ガスから高純度水素を低コストで精製。未利用ガスの資源化を通じた水素エネルギー活用を提案。

 

各社の発表に対し、コメンテーターからは市場性、事業連携の可能性、社会実装に向けた論点について具体的なコメントが寄せられました。

 

 

 

東大IPCは、今後も、GXをはじめとする社会課題解決型ディープテック領域において、大学発スタートアップの創出・成長支援と、地域を含むエコシステム形成に連携して取り組んでまいります。本イベントで生まれた対話やつながりを起点に、研究成果が事業化・社会実装へとつながる取り組みを継続的に支援していく予定です。

 

 

開催概要

 

・GXスタートアップ・ピッチナイト 〜ディープテックの最前線と出会い、共創が生まれる場所〜

・日時:2026年2月4日(水)18:00–21:00

・会場:ONE FUKUOKA BLDG.(福岡市)およびオンライン

・共催:CIC(E&Eコミュニティ)、東京大学協創プラットフォーム開発、三井住友銀行

・後援:九大OIP

前の記事へ 一覧へ戻る
東大IPCの
ニュースを受け取る
スタートアップ界隈の最新情報、技術トレンドなど、ここでしか得られないNewsを定期配信しています