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東大IPC

Story

東大IPCでは、ベンチャー投資だけでなく、「東大IPC 1stRound」という 創業3年以内の起業家や起業前のチームに対し、
事業資金・ハンズオン支援・東大やパートナー企業のリソースをZero Equityで提供するプログラムを提供しています。
採択先に対しては、ビジネス推進から資金調達まで東大IPCが並走して支援します。
創業までの経緯、どのような支援が実際にあるのか、起業家たちに語っていただきます。

BionicM株式会社

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第3回東大IPC起業支援プログラムに採択されているBionicM株式会社の孫CEOへお話を伺ってきました。ジェームズダイソンアワード2017、SXSW 2017、未来2019受賞と高い評価を得ているロボット義足をメインに開発しているベンチャーです。

義足というこれまでテクノロジーが活用されていなかった未知の領域に挑む、BionicM株式会社の姿に迫ります。

 

「まずは、事業概要のご説明をお願いします。」

現在は、義足の開発事業であるSuKnee(サニー)とSankle(サンクル)をメインに進めています。SuKneeは、ロボット技術に基づく最先端のテクノロジーを活用して、より自然な歩行をアシストします。バッテリが切れた場合でも、動作するモードを切り替えることによって、動力を持たない義足と同じように使うことができます。Sankleは義足の足の部分であり、つま先が地面を蹴って推進力を与えるように、歩行の推進力を与える役割を持っています。

会社のビジョンとしては、ロボティクス技術や人間工学の技術を生かして、義足に限らず高齢者や体の不自由な人のモビリティを、拡張したりアシストしたりできるモビリティデバイスを作っていきたいです。

 

「事業の段階としてはどのフェーズにいるんでしょうか?」

大学で開発した技術シーズに基づき、今はどうやって小さく作れるか、コストダウンができるかという商品化に向けて取り組んでいます。来年2020年のパラリンピックの前に、ロボット義足の販売を開始できることを目標にして進めています。実は、この会社自体は2018年12月に創業して4ヶ月しか経っていません。ただ、現在の事業内容は、2015年に東京大学の博士課程にて研究を始めてから3年間開発を進めてきました。その研究成果を生かし事業化しています。

 

「孫様は2009年に交換留学生の制度を使って来日されていますが、日本に行きたいと思ったきっかけは何でしょうか?」

大学1,2年の時にどこかへ留学したいと考えていました。ちょうど大学3年になった時に東北大学との交換留学制度があり、1度日本を見に行きたいと思い応募して選ばれました。それからずっと日本に滞在しています。大学を卒業した後、東大の大学院の試験に合格して入学しました。

大学院での専攻は機械工学で燃料電池の研究室に所属していました。燃料電池は800度の高温で動くため劣化しやすいんですが、10年以上動き続けないと製品コストを回収できません。どうやって寿命を延ばすのか、劣化のメカニズムを解明するために、数値計算で予測をしたり、劣化のシミュレーションをしたりしていました。

 

「大学院卒業後ソニーへ入社されますが、当時は起業に興味が無かったのでしょうか?」

ソニーへ入社する時には、起業をするという選択肢は無かったものの、起業自体には大学の時から興味があって、いつか起業して何かを作りたいという想いはありました。ただ、その時は何を作るのか、何をすればいいのかということが全然わからない状態でした。

 

「その後退職し、東大の大学院へ活動の場を移すことになったきっかけは?」

ソニーではスピーカーを設計する部署に配属されました。その頃は義足を使い始めてから2年くらい経過したくらいですね。義足は、最初は便利でいいなと思っていたんですが、だんだん不便なことが見えてきた中で、ソニーではスピーカーの図面を書いたり、設計したりというようにモノ作りをしていました。それじゃあ、自分の足を作れないかという思いが出てきて、ソニーの中で義足を作る環境を探してみたんですが、なかなか見つかりませんでした。

そこで東大の大学院に義足を作る環境を求めてソニーを退職しました。上司など周囲の人たちにはもっと会社に勤めた方がいいと言われましたが、やる気が出ない仕事をし続けることはできず、自分のしたいことができる場所を選びました。

 

 

「どのようにロボット義足の開発をスタートさせたのでしょうか?」

ロボティクスの研究室に入ったものの、義足の研究をしている事例は無く、研究する環境や教えてくれる人もいませんでした。自分は義足ユーザなので、ユーザが解決して欲しいペインポイントはわかっていました。どんな技術を使えるのか、海外の研究や先行研究などを見ながら、最初の半年くらいは情報収集をメインに行っていました。

そしてようやくプロトタイプのアイデアが出てきて、図面の設計をして、3Dプリンターで作り、自分が想定したメカニズムで動くのか確認しました。そこからは、実際に機械加工屋さんに部品を作ってもらって、自分たちで組み立ててテストをしていました。

 

「テストをしていく中で実用化できると思えた瞬間は?」

最初から実用化できるものを作りたかったんです。大学の一般的な研究は学術的に新しいことがあれば、それを追求していくものですが、企業に勤めた経験から、どういったものが商売になるのか、社会の役に立つのかがわかっているので、ユーザ側の観点も踏まえて、大学に戻ってからは使えるものを作りたいと思っていました。

プロトタイプのアイデアを考えている時は、どう動くのかわからないので不安がありました。でも初めてのテストで動いた時に、これはいけるぞ、今後ブラッシュアップしていけば良い製品ができるぞと感じました。

 

「起業して良かったことは?」

自分がやりたいことをできるようになって、すごく幸せです。ソニーの時は、やりたいと思えないことでも、仕事だからやらなくてはいけなくて、モチベーションは上がりませんでした。でも今は、お金がなくても、実現したいから、自分がやりたいからという大きな理由があるため、以前とモチベーションは全然違います。

自分がやりたいことを見つけることは非常に大事です。もちろん、見つかる前には現時点のやっていることにフォーカスしてやれば、今やっていることはきっと今後の役に立つはずです。

 

「孫様が留学してから会社を退職するまでに得た経験は、どんなところに役立っていると感じますか?」

留学して10年が経ちますが、日本と中国は似ているところがあれば違うところもあります。そして、日本の強みや中国の強みもわかるようになり、それが自分の強みになっていると思います。また、研究や企業でやってきたことは、直接役に立っているわけではありませんが、ソニーで学んだ人間力は今に生きています。

そして、立場は変わって私が会社を経営していく今では、社員だった時に経験したことがあるからこそ、社員の立場だとどう思うのかということなどが、わかると思います。

 

「シードラウンドの資金調達のきっかけは?」

今回の出資者である東大エッジキャピタルとは、3年前に助成金へ採択された時からの付き合いでした。定期的なミーティングなどで情報交換を進め、起業をする時も投資を検討してもらっていました。

 

「最後に、起業を目指す方へアドバイスをお願いします。」

自分がやりたいこと、作りたいものを見つけることは重要だと思います。興味がモチベーションに繋がるので、まずはそれを見つけましょう。見つからなくても、社会の役に立つことでも構わないので、課題ややりたいことを見つけてやっていく。その中の選択肢として起業が出てきますが、ゼロから作り上げなきゃいけない難しさもあります。最初は何もわからない、仲間もいない、非常につらい時期があります。その中でも、課題を乗り越えられるメンタルは重要です。

ぜひ周りの先輩や先生などに助けてもらいながら仲間を増やしていきましょう。仲間ができるまでの困難はなんとか自分で乗り越える。乗り越えつつ自分で仲間を探していく。イベントや友達の紹介、協力してくれる後輩など、自分からチャンスを見つけて人脈を増やさないと何もできません。その中で協働してくれる人と一緒にやっていくとうまくいきやすいですね。

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